「連携できます」は、もう売り文句にならない

「それを導入して、現場はどう変わりますか?」

経営会議の場で、事業部長がそう聞きました。田中さんは準備してきた資料を手に、一瞬止まりました。連携機能の説明、操作画面のデモ、他院の導入実績。全部用意していました。でも「現場がどう変わるか」を具体的に示す言葉が、出てきませんでした。

「連携できます」は本当のことです。でもそれは、経営者が聞きたいことではありませんでした。


目次

「連携できます」の裏側

「連携できます」という言葉には、続きがあります。

「ただし、対応しているシステムに限ります」。電子カルテはA社、ナースコールはB社、シフト管理はC社。全部連携できるわけではありません。「うちの環境では連携できない」というケースは珍しくありません。

「ただし、構築に時間がかかります」。連携の設定は一日では終わりません。IT担当者の工数、ベンダーのエンジニア費用、テスト期間。現場が動き始めるまでに数ヶ月かかることもあります。

「ただし、費用が別途かかります」。連携オプションは追加料金です。初期費用に含まれていないことが多いです。稟議を通した後で「追加で○○万円かかります」と言われた経営者は、次から「連携できます」という言葉を信用しなくなります。

経営者はもう知っています。「連携できます」の裏に何が隠れているかを。


では何を売るべきか

経営者が聞きたいのはシンプルです。「導入後に現場はどう変わりますか?」この問いに答えられるかどうか、それだけです。

でもその前に、もっと根本的な問いがあります。

「その病院は今、何に困っているのか」。申し送りに時間がかかっているのか。記録の転記ミスが多いのか。スタッフの離職が止まらないのか。困っていることは病院によって違います。

そして「その困りごとの解決策は、本当にそのシステムなのか」。優先順位が違う場合もあります。システムを入れる前に、業務フローを整理するだけで解決することもあります。人員配置を見直す方が先のこともあります。

この問いを飛ばして「連携できます」と言っても、経営者には届きません。むしろ「この人は現場を理解していない」と思われるだけです。

売るべきものは機能ではありません。「あなたの病院の課題を理解した上で、最適な変化の道筋を示すこと」です。それができて初めて、経営者は動きます。そしてその道筋を示すためには、現場を知っていなければなりません。導入後に何が起きるかを、経験として持っていなければなりません。

それが、定着支援という専門領域が存在する理由です。

Medishift Designの詳細はこちら→メーカー向けサービス

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次